新人登録販売者が対応に苦労する代表的なケースと、その対応の仕方について、いくつか紹介します。
💊①「一番効く薬はどれですか?」という質問
風邪薬や鎮痛薬など、商品の種類が多い中で「一番効く薬をください」と言われることはよくあります。
市販薬は症状に対して商品を選択するので、まず症状の聴き取りや基礎疾患の有無を確認する必要がありますが、それに答えてもらえないことも多いです。
お客様が急いでいるといった事情もあるでしょうが、「どの薬が効くかは、症状によって異なりますので、どのような症状なのか教えていただけますか?」と聞いてみましょう。
💊②「この薬、強いですか?」という質問
とくに、ステロイド成分配合の商品や鎮痛薬の相談で多い質問です。一般消費者の方は、薬について「強い」「弱い」といった表現を用いることがありますが、新人登録販売者が答えに詰まる質問ではないでしょうか。
というのも「強い」と言いう言葉は、「副作用がある」「効果が現れるのが早い」「効果が長く続く」など、人によって違う解釈をされるからです。
「強い薬は嫌だ」と感じる背景には副作用への心配などがあると思われますが、実際には薬に関する知識が十分でないことによる漠然とした不安や恐怖感によるものです。
薬の正しい使用法や使用上の注意、どんな時に使用を中止すべきなのかなど、きちんと情報提供することで、その不安は取り除けるはずです。薬の作用や副作用について、わかりやすく丁寧に説明するようにしましょう。
💊③「飲んでいる薬が効きません」という相談
市販薬を使用しているが効果がないという問い合わせでは、まずは使っていた商品名と使用期間や症状の経過を確認します。使用していた商品が合っていなかったケースも考えられるので、その場合は症状に合った商品を提案しましょう。
一方、出ている症状が重いために市販薬では効果が得られていないこともあります。基本的な目安として、市販薬を使って数日経過しても効果が得られない(もしくは悪化する)時は、医療機関を受診してもらいましょう。日数や回数の目安は、添付文書に記載されています。また、判断材料のために、商品知識と病態の知識を身につけておく必要もあります。