種類が多い薬はどう選べばいいか。その2

用途から商品を絞り込む場合

くすりの種類

★使う人の年齢★

  • お客様本人だけ使う ⇒ ご本人の症状に合った商品
  • 子どもなど家族も一緒に使う ⇒ 子供も服用できるか成分、小粒で飲みやすい、フルーツ味など

★服用のタイミング★

  • 今すぐ ⇒ 即効性を期待するならシロップ剤や液剤、顆粒など
  • 常備薬として購入 ⇒ 顆粒なら分包タイプ、錠剤ならPTPシート

★常備薬の場合★

  • 家庭用 ⇒ 子供がいる場合はファミリー向けの商品
  • 職場用 ⇒ 分包タイプ。不特定多数の人が服用するため、アレルギーなどのリスクが少ない成分(アセトアミノフェンなど)

★携帯・保管の方法★

  • 外出先に持ち歩いて服用 ⇒ 分包タイプ
  • 家で服用 ⇒ 瓶入りタイプ(開封する時長く持たないため、使いきれる錠数の商品)

予算から商品を絞り込む場合

錠剤やカプセルのくすり

お薬を購入する際は、「価格」も重要なポイントになります。実際に「1000円以内で収めたい」などど、お客様が予算をあらかじめ伝えてくださるケースもあります。

特に栄養ドリンク剤は100円未満の商品から、3000円を超える商品まで価格の幅が広いため、1000円前後、2000円前後など、大まかでも結構ですから、「ご希望の価格帯はございますか?」と最初に確認してみても良いでしょう。

店舗のドリンクストッカーでは、「最も安い価格帯が最下段、高価格帯が上段(又はお客様目線の位置)などと値段別に陳列されることが多いので、その点でも予算別の絞り込みがしやすいかもしれません。

また、お客様が低価格帯の商品をご希望の場合でも、成分の配合量など商品の違いをしっかり説明できると、少し高い価格帯の商品を提案して購入につながるケースもあるので参考にしましょう。

種類が多い薬はどう選べばいいか。

風邪薬や胃腸薬など、多種多様な商品が出ているカテゴリーでは、年齢・用途・価格など効能以外の視点を加えると絞りやすくなる。

来店されたお客さんに「その商品をおすすめした理由」を説明できるようにしておく。

お薬を説明する

風邪薬や解熱鎮痛剤、胃腸薬や皮膚病薬などは、種類が多く、購入時に「どれがいいのか?」と相談されることの多いカテゴリーです。テレビCMなどで頻繁に宣伝されている薬を「〇〇〇〇はありますか?」と指名買いする人も少なくありません。

お客様が相談してくるのは、症状がつらくて困っている時や、自分の症状に合った商品がわからないときです。自分が経験したことのある症状だと対応しやすいので、風邪の症状などの相談では新人登録販売者も聴き取りに苦労することは少ないと思います。あらかじめ相談の多い症状に適した商品を分類して、接客フローに従って症状の聴き取りから商品選択へ進めば、スムーズに対応できるでしょう。

しかし、商品が多すぎる場合、やはりお客様は迷います。そのため、登録販売者はある程度限定して商品を提案することが大事な事なのですが、同時に「これだけたくさんの中から、どうしてこの薬を選んですすめたのか?」納得できるように説明することも必要です。

「この商品とこの商品は、何が違うのか?」と聞かれることもよくあります。お客様の多くが一番気にするのは効き目の差です。その差をわかりやすく説明できるように、特徴を簡潔に説明する文章を商品ごとに考えておき、質問されたらすぐに答えられるように準備しておくのが良いでしょう。

全部を一度に覚えるのは大変なので、店舗で売り上げの高い人気の商品から始めましょう。たとえば、風邪薬はとても種類が多いですが、対応する回数も多いカテゴリーなので、マスターするのにそれほど時間はかからないはずです。

商品選択に困ったら効能以外の希望を質問してみる

お客様に提案する商品を選ぶ時は、緩和したい症状の他に、使う人の年齢や用途も確認すると、自然に商品が絞られてきます。子どもも含めた家族で使用する薬なのか、今すぐ必要なのか、常備薬として買うのか。とにかく早く効くもの、眠くならないも、長時間効くものといったニーズ、味(子ども向けの薬など)や使用感(目薬など)、剤型(顆粒より錠剤がいいなど)の希望もあります。

また、価格もお客様にとっては大事な要素です。例えば、価格の幅が広い栄養ドリンク剤や目薬などは「ご希望の価格帯はございますか?」と最初に「予算」をお聞きしてみましょう。

それでも商品を絞り込めない時は「いつもよく飲まれている商品はございますか?」などと聞いてみるのも良い方法です。特に風邪薬や解熱鎮痛薬では、お気に入りの商品がある人が結構います。市販薬の主な役割は対症療法ですから、症状を抑える効果があるかどうかが最大の選択ポイントです。薬を飲んでも症状に変化がなければ「効いた」という実感は得られません。逆に、過去に「効いた」経験がある商品には、大きな信頼を抱くものだからです。

一口に風邪といっても症状は毎回同じではなく、前回使った商品がまた効く保証はないのですが「特にこの商品が適している」というものがない場合は、本人が信頼する商品を選んでいただくのもいいでしょう。

胃薬

胃腸薬も、症状別に様々な商品があるカテゴリーです。例えば「空腹時の胃痛」や「食後の胃もたれ」など明確な症状なら商品も選びやすいのですが「何となく食欲が出ない・・・・・」など、漠然とした症状の場合や、逆に症状が多すぎる場合は困ってしまいます。そんな時は、複数の症状に対応できる総合胃腸薬をすすめることができるので、「判断に迷った時はこの商品」というように、自分なりの最終アイテムを決めておくのも、新人のうちは有効です。