接客が不安という人は、必要な段階をふんでいない可能性があります。症状の把握から商品選び、使用のアドバイスまでの流れを確認しましょう。
店頭での接客フローを組み立てよう
登録販売者は、医師のように病気の診断はできませんが、皮膚炎や火傷の傷を店頭で見せられて「これに効く薬をください」などとお客様に言われることはよくあります。登録販売者としては、その権限を越えない範囲で、症状に適した商品を選び、情報提供を行なわなければなりません。
新人時代は、接客のたびに緊張することでしょう。そんな時、接客フローが身についていると、お客様の話を聴くことに意識を集中できます。接客フローとは、「症状の聴き取り」から「商品の選択・提案」までの流れです。
医薬品を求めて来店する人は、何らかの症状を緩和・解消するのが目的ですから、まず具体的な症状を聴くことから接客が始まります。次に、聴き取った症状から病態を判断し、剤型や作用についての要望(錠剤がいい、眠くなりにくいものがいいなど)やアレルギーの有無などをふまえて、適した商品を選択・提案し、お客様に判断してもらいます。さらに、その薬の使い方や養生法のアドバイスも行います。
この過程で最も重要なのが「症状の聴き取り」ですが、病態の判断に必要な情報を不足なく伝えてくれるお客様ばかりではありません。そのため、登録販売者から適切な質問をしていく必要があります。新人の頃は「何をどのように質問すればよいのか?」と、頭を悩ませることでしょう。先輩の登録販売者の対応を見て学んだり、自身の接客経験を積み重ねることでしか、スキルアップできない部分もあります。商品や病態に関する知識量も大きく影響するので、コツコツ勉強し続けることも必要です。
また、短いやり取りの中で、適切な答えを導き出すためには、コミュニケーション能力も必須です。挨拶や言葉遣い、笑顔など、接客業として求められる基本的なスキルも身につけましょう。