登録販売者の試験に合格すれば、すぐに一人前の登録販売者というわけではありません。一定要件を満たすまでは「研修中」なので、実務(業務)経験の規定を押さえておきましょう。
管理者要件を満たすまでは「研修中」
登録販売者は、「管理者要件を満たす登録販売者」と「管理者要件を満たさない登録販売者」に区分されます。一定期間の実務(業務)を経験することで管理者要件を満たす登録販売者となることができます。それまでは、「登録販売者(研修中)」といった名札をつけることになります。
登録販売者試験に合格しただけでは、正式な登録販売者となることはできません。合格者は、店舗での販売従事登録を行って初めて「登録販売者」となり、登録をしていなければ「一般従事者」として実務に従事することになります。
なお、登録の届け出は勤務先の都道府県に行うもので、実際に就職する店舗が決まっていないと提出できませんので注意してください。(たとへば大阪府の試験に合格した場合でも、就職先が兵庫県なら兵庫県に提出することになります。)
また、販売従事登録をする前の仕事の経験を「実務経験」といいますが、登録後の登録販売者(研修中も含む)の経験は「業務経験」と呼びます。企業によっては、研修期間が終了するまで販売従事登録を行わないこともあるようです。一般従事者として実務に従事していれば、「実務経験」として認められます。
新たに働き始める人も、すでに業務に従事している人も、実務(業務)経験が過去5年以内に24ヵ月以上、かつ過去5年間において合計1920時間以上になると、「実務(業務)従事証明書」が申請できます。
これは、一人前の(研修中でない)登録販売者であることを認める証明書で、店舗管理者として自立して働くために必要なものです。
薬事に関する業務に従事した時間は日々記録する必要があるため、一般従事者として実務経験等を積みたい場合は、その旨をあらかじめ会社に申し出ておきましょう。実務従事証明書を発行する時にその記録が必要となります。
◇登録販売者の区分
◇実務(業務)経験として認められる業務
- 主に一般用医薬品の販売等の直接の業務
- 一般用医薬品の販売時の情報提供を補助する業務、またはその内容を知ることができる業務
- 一般用医薬品に関する相談があった場合の対応を補助する業務、またはその内容を知ることができる業務
- 一般用医薬品の販売制度の内容等の説明の方法を知ることができる業務
- 一般用医薬品の管理や貯蔵に関する業務
- 一般用医薬品の陳列や広告に関する業務
- 薬剤師または登録販売者の管理・指導のもとでの業務
◇販売従事登録に必要な書類
- 販売従事登録申請書(各都道府県薬務課窓口、ウェブサイト、保健所で入手可能)
- 登録販売者の合格通知書
- 使用関係を示す書類(雇用証明書など)
- 戸籍謄本、戸籍抄本または戸籍記載事項証明書(発行から6か月以内)
- 医師による診断書(診断日から3か月以内)
- 登録手数料(都道府県によって金額は異なる)